800種類もの菌・カビ・ウイルスを30秒以内に99.9%抑制する、というのが、ココチGSEの基本能力です。これができる濃度でココチGSEを製造し、各社に供給しています(一部、目的によって濃度の違うものもある)。海外の論文をみると、GSEの除菌メカニズムを電子顕微鏡で観察したものがありました。GSEはこうした微生物の表面の膜を壊し、中身をひっぱりだして抑制するようです。
やっつければいい、というものではない
除菌製品を開発・製造している当社が言うのはおかしな話かもしれませんが、「菌・カビ・ウイルスはぜんぶ嫌い!」といって、除菌しまくるのはいかがなものか、とよく考えます。「バイ菌という言い方そのものが、差別ですよね」と言われて、大笑いしたこともありました。その研究者が言うには、「菌が粛々と活動した結果、ヒトに有益なら『発酵』と言い、無益あるいは有害なら『腐敗』というのは、人間の勝手」だそうです。「結果が自分たちに不都合だからといって、バイ菌呼ばわりはない」とのこと。一理あります。
たとえば、ヒトの皮膚には菌が住みついています(「皮膚常在菌」という)。「やだ、バイ菌がついてるの?」と思うかもしれません。しかし皮膚常在菌のおかげで、ヒトは皮膚を弱酸性に保つことができているのです。腸内細菌の例もあります。ヒトと腸内細菌は共生関係にあって、腸内細菌に住み処を提供するかわりに、消化を細菌に助けてもらっているのです。病気の治療のために抗生物質を飲むと、腸内細菌も全滅してしまい、体調を崩すことがあります。最初から有用な菌も多数です。代表例がイースト(サッカロマイセス・セレビシエ)。イーストがなければ、パンもふくらまないし、ワインもできません。
GSEは選択的に抑制する
GSE利用の道を開拓した研究者たちは、天然植物エッセンスの中で、ダントツの除菌能力を示すGSEに驚き、興奮したわけですが、濃度を決めるためにさまざまな菌・カビ・ウイルスを使った実験を繰り返すうちに、奇妙なことに気づいていました。簡単にやっつけることができる相手と、そうでない相手がいるのです。
「このへんが、天然素材のおもしろさなのだ」というのが、彼らからの教えです。化学的に生成した劇薬であれば、菌・カビ・ウイルスを全滅させることができます。しかし同時に、ヒトにも健康被害がある。新型コロナウイルス対策として登場した空間除菌システムを批判する科学者たちは、「ウイルスを全滅させ、感染予防ができる濃度で使ったら、その場にいる人間もタダでは済まない。場合によっては死ぬこともある」と警告しているほどです。
GSEは天然素材であり、グレープフルーツが生き残るための知恵が詰まっています。よく効く相手と、あまり効かない相手がいます。なんとGSEは、皮膚常在菌を抑制しない除菌剤をつくれるのです。菌を全滅させにいくわけではない、というところがとくに素晴らしい(これは想像ですが、だからGSEは、相手を全滅させる抗生物質とは異なり、薬剤耐性菌を生み出しにくい可能性があります)。そして幸いなことに、グレープフルーツが嫌がる菌・カビ・ウイルスと、ヒトに不都合をもたらす菌・カビ・ウイルスは、ほとんど共通しています。まさに植物のチカラをそのまま利用して、ヒトにとっての不都合を減らせるのが、GSEなのです。
生活の中の「嫌なこと」をGSEで解決
これまでのところ、ココチGSEの標準濃度で、菌・カビ・ウイルスがもたらす「嫌なこと」をかなりの程度解決できることが確認できている上、健康被害の報告もありません。ココチGSEを生活にとりいれた場合に得られる気持ちのいいことを、ざっと列挙しておきます(以下は各種論文や実験結果から、「GSEをココチGSEの濃度で使った場合に得られる事実」として推定できるものを列挙したものです。「ココチGSE」という商品はありませんので、商品の効果効能を示したものではありません)。
- 葉物野菜にスプレーすると、長持ちします(腐らせるグラム陰性菌を抑制する)。
- 根菜にスプレーすると、食中毒の原因になるウェルシュ菌を抑制します。
- 鶏肉に使うとカンピロバクターを、鶏卵に使うとサルモネラを抑制します。
- 腸管出血性大腸菌・O-157を抑制します。
- お風呂場の壁も、いったんカビ取り剤できれいにしたあと全面にGSEをスプレーしてやると、カビが生えてきません。
- おむつをあけた瞬間にシュシュッとやると、一瞬で匂いを消します。
- ネコの粗相のあとにスプレーすると、除菌する上、匂いも消します。
- 洗濯時に使うと、モラクセラ菌を抑制し、あの独特の匂いもなくなります。
- その他、赤痢菌、ブドウ球菌、緑膿菌、MRSA、ジアルジア・ラムリア、肺炎球菌、マイコバクテリウム種、カンジダ・アルビカンス、ピロリ菌、連鎖球菌などを抑制できます。
- 単純ヘルペス、ノロウイルス、麻疹ウイルス、インフルエンザウイルス、鳥インフルエンザウイルス、新型コロナウイルスを抑制することができます。
- 万一手肌についても荒れることなく、表面の菌・カビ・ウイルスを抑制します。
ウイルスと「除菌」
「菌・カビ・ウイルス」と書いてきました。いずれも微生物で、細菌が地球上に現れたのは約40億年前、カビは約10億年前で、細菌は単細胞生物、カビは多細胞生物です。カビは酵母やキノコも含めて、「真菌」(fungus)と呼ばれます。GSEは多くの菌・真菌類を抑制することができ、上に挙げたように、食中毒の原因菌やカビを抑制することができます。
一方、2020年からいきなり最大の関心事となったのが、新型コロナウイルス対策でした。マスク・頻繁な手洗い・手でさわる場所の清掃・換気などが対策として推奨されています。新型コロナウイルス感染症のパンデミックがなければ、これほど除菌が注目されることもなかったでしょう。GSEも新型コロナウイルス対策に使えるのではないかと期待され、実際に「抑制効果がある」ことを確認した複数の論文が出ています。
菌とウイルスはまったく別の存在です。だから「ウイルスを『除菌』するという表現はおかしい」とよく指摘されるのですが、これは法律の規制によるものです。薬機法という法律により、医薬部外品の認可を受けていない場合は、「消毒」「殺菌」という表現を使えません。どの会社も、この規制により、仕方なく「除菌」と表現しているのです。「除菌だからウイルスには効かない」ということもありませんし、「消毒には使えない」ということもありません。
さて、菌は単独で、生育環境があっていて栄養があれば増えますが、ウイルスは宿主(しゅくしゅ)にとりつかないと増殖しません。宿主から離れると生き続けることもできない。いや、「生きる」という概念さえ怪しいのがウイルスで、生物と無生物の間の存在です。「ウイルスを殺菌する」という表現にクレームをいれる専門家もいます。なぜなら、「死ぬ」という概念がないからです。
新型コロナウイルスはヒトの細胞から入り込んで、ヒトを宿主として増殖するウイルスです。細胞の中に入り込んで増えることを「感染する」と呼んでいるわけです。ややこしいのは、ウイルスが体内で増殖しているのに、身体に変化がない場合もあることで、これを「不顕性感染」と呼んでいます。新型コロナウイルス感染症は、不顕性感染が多いことも特徴の病気です。
新型コロナのエビデンスは難しい
ココチGSEにも、「スプレーすると新型コロナウイルスを抑制するエビデンスを出してください」という要望をいただくことがあります。「もっていません」と返答すると驚かれるのですが、事実です。当社だけではなく、どの会社も、もっていないはずです。相手はウイルスです。目に見えません。観察できません。生死は最初からありません。「スプレーするとみるみるウイルスの感染力が奪われた」ことを証明する科学的な方法が、じつはないのです。
「PCR検査をすればいいじゃないか」と指摘されることもあります。これも誤解です。PCR検査は「ぬぐったところにウイルスがいた」ことを確認する検査手法で、「ぬぐった段階で生きていたか、死んでいたか」(感染力があったか、もうなくなっていたか)についてはわかりません。まして、「ウイルスのいないところをぬぐう」こともあり得ます。ヒトが相手の、ウイルスが多数いると目されている鼻腔の奥からぬぐっても、検出できないことがあるのがウイルスです。
試験管の中(in vitro)では、GSEが新型コロナウイルスを抑制する能力をもつことが確認されています。新型コロナウイルスがとりつくことができる細胞を使い、実際に試験管の中で感染させてみて、その数をかぞえ、感染力を保ったままか、抑制されているかを確認するのです(TCID50法やプラーク法。ウイルス感染すると細胞の形が変わることを利用している)。こうした方法でなければ、エビデンスはとれません。そして、「室内でスプレーすることで効果があるかどうかを確認する手法」は、存在しないのです(これを発明したら、ノーベル賞がとれそうです)。これは次亜塩素酸系の薬剤でも、アルコールでも話は同じです。
三段論法
GSEは油分なので揮発しにくく、除菌効果が持続するという大きな特徴があります。この特徴を利用して、当社は以下の実験を実施し、ココチGSEの効果を確認しています。
- スチレンボードにココチGSEを塗布し、比較対象(コントロール)として同じく次亜塩素酸水、アルコールを塗布したものを用意する
- 屋内の同じところに1週間放置して菌検査を行う
ココチGSEを塗布したスチレンボードは、1週間経過後も、除菌力を維持していました。その一方、ココチGSEより低い濃度のGSE水溶液が、新型コロナウイルスを抑制したという論文が出ています(「GSEの研究論文」のコーナー参照)。1)新型コロナウイルスを抑制する能力のあるGSE水溶液を、2)室内でスプレーして1週間放置し、菌検査を行うと、その能力を発揮していたため、3)ココチGSEを室内で使うことにより、新型コロナウイルスを抑制することができると推定できる、ということです。
GSEの長所は安全性
新型コロナウイルス感染症のパンデミックがはじまったとき、「ワクチンの開発は難しい」と言われていました。しかし、この20年間ほど研究されてきたmRNAワクチンの技術が2021年に開花したこともあり、ワクチンの接種が世界で始まっています。やっとパンデミックの出口が見えてきました。
しかしそれでも、変異株の今後によっては予断を許しませんし、ワクチンの有効性も100%ではありませんから、感染防止対策を継続する必要があります。そして安全性の高いGSEで、その役にたちたい、と私たちは考えています。GSEは肌荒れやアレルギーの心配なく、火災の心配もありません。他の除菌剤の大半が酸化物質であるのに対して、GSEは抗酸化物質の集まりです。ヒトとモノへの安全性で抜きんでています。